Work Dairy
半年前に、指輪を失くしました。緑の絵が綺麗な指輪。
初めて自分で買ったものです。
もともとあんまり買い物もしないし、いつもすぐ失くしちゃうし、そんなに指輪にも興味はなかったのに、それだけは違いました。
一目惚れってやつ。ちょっと高かったけど、買いました。
大事にしようって、今度だけは大切にしようって、指にはまりながら緑に輝くその指輪を見ながらいつもそう思っていました。
でも、やっぱり僕は失くしてしまいます。買ってからわずか二ヵ月後の事です。
打ち合わせして、ちょっと痛いから外してて、そしたらその店に忘れて置いてきてしまった。もちろん、気づいて戻ったときにはありませんでした。

人って忘れるんです。大事なモノの大きさを、心には残ってても形を変えてしまう。
そんな事を思いながら、さすがに落ち込みました。もう指輪を見ても、あの緑色を思い出して寂しい気持ちになります。
だって、もう絶対戻ってこないから。捨てられちゃうか、もしくは新しい誰かの指にはまってるか。僕は知ることはできないけど、でも間違いなく戻ってこない。
それだけは、わかります。寂しいけど、僕が悪い。

先日、たまたま立ち寄った雑貨屋さんで、また僕は一目惚れをします。
あの時の気持ちは何処いったといわんばかりですが、色も形も値段も全く違う指輪を見て、強烈に惹かれてしまいました。
やっぱり、人は忘れてしまうんです。良くも悪くも、人は忘れる。

でもまだ僕は買いません。その前にすることがあるから。
それは、この物語を書くこと。
新作のタイトルは「FANTASISTA」。
物語はシンプルに、それが僕が8年目に思っていることです。
今のメンバーと最高に面白いものを創りたくて、このタイトルにしました。
気負いはありません。

終わったら、あの緑色の指輪を探してみようかなって思っています。
もしかしたら、見つかるかも知れない。もしかしたら。
だって世界は、まだこんなに面白いんだから。
西田大輔